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2014年3月 4日 (火)

テネメント博物館

今日も一日寒くなるとラジオで注意を促している火曜日のニューヨーク。昨日も骨の髄から冷えるような寒い日で、ボランティア仲間は「高齢の友人が具合が悪いから、今日はボランティアをお休みするわ」と連絡してきました。確かに今年の冬はご高齢の方々にはきつそうです。

ウクライナ情勢が緊迫の度合いを増す中、ニューヨークに住むウクライナ系住民が不安を募らせている様が記事になっていました。何処で紛争が起きても、この街には親族や親戚、友人等がその街に居る人達がいて、他人事ではありません。

難しい局面でTVでも連日議論が戦わされていますが、大きな紛争に発展せず、かといって他国や後世に悪い影響を与えない上手い収め方は無いものでしょうか。
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さて、今回はローワー・イースト・サイドにある19世紀に大量の移民が押しかけた際に建てられた長屋の博物館『テネメント博物館』(Tenement Museum)についてです。
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ニューヨークの歴史について語るポッドキャスト『The Bowery Boys』を聴き続け、全161エピソードの内、残すところ12エピソードというところまで聞き終えました。毎日歩いている時や、シャワーを浴びている時、料理をしている時なんかに聴き続け、すっかりニューヨークの歴史ファンになりました。

その『バワリー・ボーイズ』を聴いていると多く登場するのが移民が押し寄せた1860年代の話や、貧しい移民がひしめき合って暮らしていたローワー・マンハッタンの話。自ずとローワー・マンハッタンに興味が湧きました。

そんな時、ローワー・イーストに建設を目指している公園『ロウライン』の展示が小さなギャラリーで開催される為足を運ぶことに決め、折角ローワーまで足を延ばすのだからと、同じ通りにあるテネメント博物館も訪れる事にしました。
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そもそも『tenement』とは何ぞやという事ですが、基本的には複数の部屋が存在し、複数の家族が住んで居る借家の事です。が、多くの場合で貧しい人達が折り重なるように暮らす借家、つまり日本でいう長屋のような建物を差します。

1820年~1900年頃に掛けてニューヨークに各国から移民が押し寄せ、最初に暮らしたのがこれらのテネメントでした。ローワー・イースト・サイドには、未だにこれらのテネメントビルが多く残されており、各アパートにトイレ・水道を備え付けたり、内装を全て鉄筋コンクリートに作り変える等して、現在の消防法に合うように改装した上で、人々に貸し出されています。

テネメント博物館は、97 Orchard Streetに残された長屋をガイドに従って1時間程で回るツアーによって見るスタイルで、好きな時間に勝手に見て回ることはできません。その為、予め興味があるツアーを調べてチケットを購入しておき指定された時間に行くか、行き当たりばったりで博物館に行ってその時間に参加できるツアーに乗るかしか中に入る術はありません。
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テネメント博物館の入っている長屋の建物は、消防法改正に伴い借家としてやっていくための改装をすることができないと判断した持ち主が1935年に住民を追い出して1階部分以外のビルを閉鎖。1988年に売りに出されるまで放置されていたため、タイムカプセルの様に昔のままの長屋の風情が残されていたそうです。

その風情を利用して博物館として運営しており、博物館にするために元住人の証言を集めつつ広く一般に家族の歴史や生活の様子を話す事の了承を得たり、証言に基づき昔の暮らしを再現したりしたそうです。

私達は『Hard Times』という、移民の苦労を知るツアーに乗ったのですが、全1時間のツアー中見学できたのは入った直ぐの廊下と階段、そして2室のアパートのみでした。他のツアーも大体そんなもののようです。
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アパートの1室は1988年に発見された当時のまま残されており、もう1室は昔上階に住んで居た家族の証言と寄付された実際に使用していたキッチン用品や家具によって昔の暮らしが再現されていました。この長屋はドイツ系移民が多く暮らしていた地域にあり、多くのアイルランド系移民が暮らしていたもう少し南にある長屋群に比べるとグレードが高いのだそうで、実際足を踏み入れた際には『ニューヨークにしては悪くない広さがある』と思ってしまいました。

ただ、話を聞く内にその考えは改めました。その狭い1ベッドルームに家族8人+知り合い2~3人で暮らしていたというのですから。それでもマシな状態だったというのが信じがたい位です。

お風呂はシンク(確か1904年に追加された)の下に置かれた小さなたらい。トイレは廊下にある1つの共用トイレだけ。トイレが汲み取り式でないのは最新式だったそう。きっとその当時ここに住んで居たらもの凄い悪臭だったことでしょう。
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私達が参加したツアーには、テキサスからの観光客、NJの住人、NYの住人等がいたのですが、1人の参加者が「兄が向かい側のアパートに住んで居たんだけど、間取りが殆ど同じだった」と言っていました。ガイドさんによると、元長屋を改装したアパートは掘り出し物があるそうです。如何にもニューヨークらしい風情は味わえるのでしょうが、住むにはちょっと不便そうでもあります。

そんな風に過去の住人の証言CDを聴いたり、ガイドさんの説明を聴いたりして、移民して来た人達の生活に思いを馳せる事ができます。とても興味深く参加して良かったですが、$25/人のチケット代は少し高く感じました。まぁ、建物や周辺地域の保全の為に必要な経費だと思えばいいのでしょう。

尚、1階にある博物館のショップがお土産の宝庫であることも付け加えておきます。ニューヨーク土産を探している方は、是非一度足を運んでみるべきです。

Tenement Museum
103 Orchard Street, New York, NY 10002
tel: 212.982.8420
ツアースケジュール等の詳細はHPにてご確認ください。

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