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2017年9月13日 (水)

パティ・スミス氏のリーディング

晴れている水曜日のニューヨーク。ラジオでは午後から夕方にかけて雷雨の可能性があると言ってましたが、本当でしょうか?天気のWEBを見ると午後からは曇ってにわか雨が降る可能性があるようです。今日の最高気温は27℃。湿度も高そうなので、昨日みたいに少し汗ばむ気候になりそうです。

Edie Windsor氏が昨日88歳で生涯を閉じたことが報じられ、フェイスブックは悲しみと感謝の投稿で溢れていました。同性婚を認めない連邦法は違憲と米連邦最高裁に認めさせた「ウィンザー対 アメリカ合衆国」裁判の原告であるイーディスさんは、LGBTQコミュニティーの英雄。たまたま出張でニューヨークを訪れている友人も、ストーンウォール・インに駆け付けて多くの人達と追悼していました。

イーディスさんの死を悼む人々の投稿に付けられたハッシュタグは『Don't postpone joy』。「今日だけは彼女の死を悲しみ、明日からは彼女の勇気を胸にそれぞれの生活に戻って、自分の持てる力で戦おう」というメッセージも多く見掛けました。どちらも胸に響く言葉です。
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さて、今回は2017年9月11日に行われたパティ・スミス(Patti Smith)氏のリーディングイベントに出掛けた感想です。
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このイベントは1週間に亘って開催されるブルックリン・ブック・フェスティバル(The Brooklyn Book Festival)の一環として開催されました。フェスティバルのメインイベントは今週末ですので、本好きの方はお忘れなく。

会場はブルックリン・ハイツにある歴史ある教会『St. Ann's and the Holy Trinity Church』。2017年9月12日に発売になるパティ・スミス氏の新刊『Devotion』のリーディングイベントでした。
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『Devotion』(献身、深い愛情)という本は、2013年から毎年1回発表されている『Donald Windham-Sandy M. Campbell Literature Prizes』という文学賞の授賞式でスピーチを行った人達が、自身の創作について語る本を出版する権利を得ることから出版された本。パティ・スミス氏が2016年に同授賞式でスピーチをしたため出版された小さな本との事。昨日貰ったばかりでまだ読んでいませんが、イベント中に読まれた作品から推察するに、詩集のような物である気がします。

私は恥ずかしながらパティ・スミス氏が存命する、ましてやまだニューヨークに住んでいるアーティストだという認識が全くなく。1970年代に、ニューヨークのアートシーンを彩った伝説のシンガーだというような印象のみを持っていました。
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代表作である『Because the Night』は聞いた事がありましたし、顔は知っていましたし、男っぽい服をかっこよく着こなしている印象は持っていましたが。持っていた知識はその位。詩や本も書くアーティストだという事は全然知りませんでした。

では何故リーディングに行こうと思ったかというと、何故か友達にファンが多いから。従ってフェイスブック等で彼女について書かれているのを目にする機会が多く。知らないまでも、なんで彼女達がパティ・スミス氏に強く心惹かれるのかに興味があったのだと思います。
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そんな時イベントのお知らせを貰ったので、そもそも(体調が芳しくなく結局果たせていませんが)今年はなるべくリーディングに足を運ぼうと思っていた事もありチケットを購入した訳です。チケットはほどなく完売。彼女の人気の高さを目の当たりにしました。

当日は土地勘がないブルックリン・ハイツで迷って遅れることがないように、予め場所を確認してから散歩をして時間を潰そうとイベントが始まる2時間半前の午後4時半に教会を訪れました。なかなかブルックリンまで足を延ばさないので、ついでにブルックリン・ブリッジパークを散歩しようと思ったのです。
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しかし下見に訪れた時、既に教会前には行列が。そう言えば席は早い者勝ちと書かれていたと思いだし、仕方なく雑誌を読みながら待つことにしました。

当初は夫と訪れるつもりだったのですが。イベント当日の朝、友人が出張でニューヨークに来ることを知り。彼女のホテルが偶々ブルックリン・ハイツだったこともあり、急遽友達を誘っていくことに。彼女は無事午後4時半頃チェックインを終えたので、シャワーを浴びて一休みしてから合流しました。
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予め並んで開場を待っている間にチェックインを済ませ、リストバンドを貰い。いざイベントが始まる20分前位にドアが開いた時には、広くて綺麗な教会に入って木のベンチに好き好きに座りました。教会は高い天井に美しいステンドグラス、パイプオルガンまである空間でした。

広い教会でくるりとロフトの様に設置された2階席まで開放されていましたが、満席で立ち見まで出ていました。そしてそのほとんどが白人。こういうイベントに来ると、いつもその白人率の高さに驚かされます。まだまだ人種の壁があるんでしょうか。
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イベントは1時間半で、作品を読んだり、歌を歌ったり、雑談したりという内容。パティ・スミス氏はパンクロックのグランドマザーなんて呼ばれているから、勝手に荒っぽい、汚い言葉とか使う、クールな女性なのかな?なんて想像していたのですが、ピアノを弾く娘さんやお隣に住むお手伝いの男性なんかと一緒に現れて、静かな佇まい。

話し方もゆっくり、静かで、トークの時間になると何を話していいか分からずに困り果て、観客から質問を募ってしまう不器用さ。情熱的で素晴らしい声量の歌を披露し、作品を静かに読み聞かせる。アーティストとしては、世界中を巡ってステージ慣れしているでしょうに。なんだか不器用そうで、シャイな感じ。
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読まれる作品を聞いていると、多くの人が気にも留めないような事柄に執着して調べたり、心を寄せたり。作品が生まれた過程を聞くだに、自分の中に揺るがない物差しを持っていて、大切なこと、心を寄せることがしっかりとあって。強いけど、繊細。大胆だけど、細やか。本当の優しさを持っている(個人的に真の優しさは強さの上にしか成り立たないと感じているので)人間臭い人という印象でした。

2回目のトーク時間に質問を募ったら、「若いライターに何かアドバイスはありますか?」という質問が。それに対して、「え?私が年老いてるとでも言いたいの?」とか返していたり。媚びた感じが全くない、独特の笑いのセンスにちりばめられた話し方で、非常にチャーミング。短い時間で大好きになってしまいました。
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友達もとても楽しんで、帰りの飛行機で早速貰った本を読むと喜んでいました。私も彼女の本を読むのが楽しみですし、彼女の様に一見何の役にも立たない事に興味を持って調べられる年の取り方をしたいと改めて思いました。

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