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2017年9月17日 (日)

映画『コロンバス』

霧に覆われている日曜日のニューヨーク。本日の予報は晴れ時々曇り。今は晴れそうもないように感じてしまいますが、最高気温が27℃まで上がるのを見ると昨日の様な気候になるのでしょうか。今日も湿度が高めみたいなので、汗ばむ陽気になりそうです。

今日はハリケーン・ホゼの影響で海が荒れるので海岸には近づかないよう注意が促されています。毎回ハリケーンが近付くとサーフィンに繰り出す人達がいますが、先日それで若い男性が行方不明になったばかり。今回は無謀な事をする人達がいないように祈るばかりです。

ハドソン川沿いに新たなビルが建ちまくっていますが、57丁目に完成したピラミッド型の目を惹くビルの下に8スクリーンある新たな映画館がオープンしました。なんでも座り心地の良い椅子とバーがある最新の映画館なのだとか。映画館が見たくてショーをチェックしましたが、あまり惹かれず。でも近いうちに何か観に行けると良いな・・と思います。
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さて、今回は現在公開している映画『コロンバス』(Columbus)の感想です。
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ベッドバグ(トコジラミ)が問題になってからすっかり映画館から足が遠のいてしまった私。腰の調子がすこぶる悪かったこともあり、ここ数年全く映画を見ていませんでした。映画を見るといったら飛行機の中くらい。家でもカウチがないので、床に座って映画を見ていると腰が痛くて堪らなくなるので、結局見なくなっていました。

そんな私ですが、ボランティア仲間2人が別々にこの映画を推薦してくれたのと、丁度腰の調子が良い時が重なったため、久方ぶりに映画館に足を運びました。調べてみると上映しているのがウエストヴィレッジにあるIFCセンターのみみたいだったので、チケットを予約。
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もう既に上映期間の終わりに近づいているのか、IFCセンターの中でも特に小さい、30人も入れば一杯になってしまう小さな劇場での上映でした。それでも小さな劇場は満席になりました(途中で飽きたのか退席していた人がいましたが)。

監督はこの映画が長編映画デビュー作であるKogonaga氏。今まではビデオエッセイニストや映像エディターとして活躍してきた方みたいです。私に勧めてくれたボランティア仲間達は彼が日本人だと思っていたので私もそう思って映画を観ましたが、映画の主人公は韓国系アメリカ人という設定。帰宅して調べてみると、Kogonaga氏も中西部で育った韓国系アメリカ人だとか。
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今まではご自身の情報を出さずに活動されていたものの、映画の監督ともなるとそうもいかず初めて表舞台に出てきたみたい。Kogonadaという芸名(ペンネーム?なんていうのでしょう?)については、監督が尊敬する小津安二郎監督の脚本家を務めた野田高梧氏の名前をもじったという事らしいです(今朝聞いたポットキャストでそう仰っていました)。

ボランティア仲間が私がきっと気に入ると考えた理由は、私が近代建築やモダンアートに興味があると思っているから。確かに全く知識はありませんし、全然美術館とかに足も運びませんが、興味はありますし。きっと仰らなかったものの、同じ日本人だから興味があるのでは?と考えたのではと推察します。
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2時間弱の映画を観た感想は、一言では言い難い余韻を残す素晴らしい作品だというもの。批評では「小津監督の『東京物語』を彷彿とさせる」という意見が見られますが、私は観たことがないので解りません。ただ、ハリウッド的な作りではない、盛り上がりやアクションに欠ける淡々とした映画で、夫も私も非常に気に入りました。

別にクライマックスが無いからと言って、感情が動かない訳ではありません。それどころか、ずっと心の何処かが痛いような、悲しいような、空しいような、怒り出したいような、何とも言えない重い気分に襲われ続けます。でも、わざとらしい、ここで泣いてください!みたいな音楽も台詞回しもないので、泣きたいのに泣けないような状態で見終りました。そんな所も、日常に似ています。実生活では、なかなか泣けませんからね・・・。
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でも脚本や映像のこま割や撮影手法が凝っていて素晴らしいというのは勿論あるものの、私がこの映画をいたく気に入った主な理由は、建築の使い方でした。本当の主人公は主演の男女ではなく(いや彼らの演技は素晴らしかったですし、主演の女の子はとても説得力があると思ったのですが)、近代建築だといっても過言ではない存在感を放っていました。

大体インディアナ州のコロンバスという町自体、存在を知りませんでしたし。ましてやそんな片田舎(失礼!)に、これほどまで素晴らしい近代建築物群があるなんて。建築物が有する人を癒す効果が映画の鍵として使われていることもあり、建物を今までと違った角度から見たり感じたりするきっかけに成り得る映画だと感じました。
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出てくる街並みや建物があまりにも素敵なので、コロンバスに旅行に行きたくなりました。監督は元々近代建築やモダンアートに興味があり、ニューヨークタイムズ紙が掲載したアメリカの近代建築が楽しめる都市ベスト10にコロンバスが入っていた事に驚き。初めてその存在を知り、興味を持ったと語ってらっしゃいましたが、この映画がきっかけでコロンバスを訪れる人が増えるのではないかと想像します。

私は心に響く素敵な映画を観た後は暫く映画の世界から帰ってこれなくなってしまうのですが。この映画を観た後も、家に帰り着く道すがら夫を放ったらかして黙り込みがちに。確かに人に薦めたくなる、作品でした。ご覧になっていない方は是非。
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