2018年10月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
無料ブログはココログ

« 冬のストリートアート | トップページ | リトルイタリーのフレンチ・ベーカリーカフェ »

2018年1月31日 (水)

映画『SATURDAY CHURCH』

皆既月食とスーパームーンとブラッドムーンが同時に観測できる水曜日のニューヨーク。たった今(午前6時後半)観測できているらしいのですが、残念ながら私達のアパートの窓からでは見えません。がっくり。現在は-7℃ですが、午後2時以降は氷点下から脱して、最高気温は2℃まで上昇する予報です。雲が出るようですが、雨は降らないようですので、昨日使った傘は干して片付けられます。

今朝は、昨晩行われた一般教書演説(State of the Union Address)の話題でもちきりです。今後1年間のこの国の行方を占う大事な演説なので、通常であれば聞くようにしていたのですが。今年は夫が出張から帰宅してバタバタしていた事もありましたが、どうせコロコロと言っていることが変わるんでしょ、という気分に支配されて全然聞きませんでした。ボランティア仲間の誰も話もしませんでしたし。

ニューヨークでは、自分達で自身が聞きたい一般教書演説をコメディアン等が繰り広げるイベントが行われたりして、相変わらず現政権への怒りが収まらない状態。今まで一般教書演説の日には皆で集まって演説を見たり、家で聞くという人達が殆どで、その熱心さに感心したものでしたが、今年はそんな様子が見られませんでした。一方で、投票資格を取得する人がぐんと増え、政治参加への責任感は高まっていると言われています。これからこの国はどうなるのでしょう…。

一般教書演説にあったインフラの整備については是非実現して欲しいのですが。お仲間である共和党が大反対ですし、早速専門家が「財源がない」と一刀両断しているので、前途多難です。そんなこと言ったって、必要だと思うのです。是非やってくれ!と念を送っています。
******************************************************************
さて、今回はニューヨークを舞台にした映画『SATURDAY CHURCH』の感想です。
060
この映画はDamon Cardasis氏の長編映画初監督作。Damon Cardasis氏は、ご自身も俳優として活躍される傍ら、脚本家、ディレクター等としても活躍されてきたとの事。

ニューヨーク市は、ニューヨークで制作、撮影される映画やドラマを振興するためプロジェクトを立ち上げて応援していますが、この映画もその一環として支援を受けたようでクレジットが入っていました。舞台がニューヨークだけあって、見覚えがある風景が次から次へと登場するので、ニューヨークが好きな人は場所を特定する楽しみもあります。
062
全編で82分という短くさくっと終わる可愛らしい映画は、しかしゲイの黒人の青年が、性に目覚めると同時に周囲からの拒絶と強制に苦しむ重いテーマを扱っています。サタデー・チャーチとは、実際にニューヨークのウエストヴィレッジにある教会で行われている、ホームレスおよびLGBTQの若者を対象とする文化交流および支援プログラムをモデルとしています。この教会は庭が好きで頻繁に訪れますが、このプログラムの存在は知りませんでした。だから教会の入り口にレインボーフラッグが掲げられているんですね。

単館映画で大々的に宣伝されていたわけでもないこの映画は、好きな劇団の座長さんがフェイスブックでお薦めしていたため、たまたまボランティアが終わった後に時間がある日だったこともあり、ふらりと鑑賞に行きました。平日の午後早い時間の上映だったのでがら空き、それでも10人弱の観客はいました。
063
私個人としては観て後悔はありませんが、凄く出来の良い映画とか新たな発見があるという訳でもありませんでした。LGBTQの若者の自殺率が異性愛者の若者に比べて倍であるとか、ホームレスになる確率が高いとか(失業率が高かったり、親に追い出されるケースが多かったり)、それなりの知識はあったので、新たな事実に目を見張るといった感じはありませんでした。

しかし、主役の14歳の黒人の青年を演じた役者さんがとても魅力的で説得力がありましたし。彼を導く、クリストファー通りにたむろっている先輩トランスジェンダーやゲイを演じた役者さん達も、演技がどうこうというより、存在が魅力的に映りました。母親役の俳優さんも、なかなか素敵でした。
093
ただ、主人公が現実から逃避するために空想の世界で自分が主役になるシーンで、いきなり至る所でミュージカル仕立ての演出が始まるのですが。そのきっかけがなんだか不自然で、何となく映画に入り込めなかったり。割とあっさりと終わるので、え?と置いてけぼりを食ったような気分になったり。

小さな可愛らしい作品だとは思いますが、色んな人に熱心に薦めようという気分にもならない感じでした。ただ、性自認や性的趣向に悩む若者には、今は八方塞に思えても命を絶たないことを力強いメッセージで伝えることができて、制作された意味はある作品だと思います。
096
若い時は、家族と学校の友達という狭い世界に囚われて、一生その呪縛から逃れられないように感じてしまい、自分の居場所が見つけられなくて苦しむ若者も多いでしょう。そんな若者に「今が全てじゃないよ」、「世界の何処かにありのままのあなたを受け入れ、愛してくれる人達がいるよ」というメッセージを送るのは、きっと意義あることなのでしょう。

もう既にどこの劇場でも上映していないようですが、ストリーミングで配信されているようですので、大学生位になったお子さんとかと見て多様性について話し合ったりするのにピッタリな映画ではないでしょうか。
097
懐かしいニューヨークの風景をたっぷり楽しみたい、という方にもお勧めです。

« 冬のストリートアート | トップページ | リトルイタリーのフレンチ・ベーカリーカフェ »

コメント

はじめまして。コメントありがとうございました。

この映画は1回劇場で鑑賞したのみで、それから9か月が経っているので、申し訳ないのですが記憶が定かではありません。ただ舞台がウエストヴィレッジだったこと、有名ではないけれどウエストヴィレッジ/グリニッジヴィレッジ周辺を歩き回っている人にはピンとくる風景が多かったことを覚えています。

主人公が初めてメンターのようになった先輩トランスジェンダーと言葉を交わす場所は、ハドソンリバー・パークのクリストファーストリート・ピアだと思います。こちらには2016年6月にフロリダ州オーランドで起きた銃乱射事件の犠牲者を悼む碑が建立されたようです(https://theculturetrip.com/north-america/usa/new-york/articles/how-nycs-first-official-lgbtq-monument-celebrates-community/)。

夜のクリストファー通りは殆ど訪れた事が無いので何とも言えないのですが、ウエストヴィレッジ全体がゲイバーフッド(Gayborhood)と呼ばれていましたので、全体的にLGBTQの方が多い印象があります。ご存知の通り、クリストファー通りにはあのストーンウォールイン(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%81%AE%E5%8F%8D%E4%B9%B1)やクリストファーパーク(https://newyork.navi.com/miru/184/)もありますので、象徴的な意味合いも含めて特別なのでは?と想像します。

レズビアンの友人はウエストヴィレッジに住み、一緒に食事する場所も大抵ウエストヴィレッジを指定してきました。LGBTQコミュニティーをターゲットにした事件が起こったり、同性婚が認められた際には、ストーンウォールインの前に友人をはじめとする沢山の人々が集まって、泣いたり、喜んだり。トランプ大統領が当選した際にも、LGBTQの権利を守ろうとストーンウォールインの前で大抗議運動が繰り広げられました。たった一人の例なので普遍化はできないものの、彼女を見ていたら、ストーンウォールインとその周辺が如何に象徴的に大切な場所なのかをひしひしと感じました。あくまでも個人的な感じ方で、あまり参考にはならないと思いますが…。

教会の前のレインボーフラッグの写真は、手元にございません。全然お役に立てず申し訳ありません。ブログの何処かにはアップした記憶があるのですが、特定できず。既にNYCを離れてしまった為、新たに撮影してお届けすることもできず残念です。素敵な教会なのですが。ちょっと検索しましたが、確かにフラッグが写っている写真を見つけることができませんでした。

以上 取り急ぎ。一人でも多くの方に観てもらえますようお祈りしております。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1795052/72813834

この記事へのトラックバック一覧です: 映画『SATURDAY CHURCH』:

« 冬のストリートアート | トップページ | リトルイタリーのフレンチ・ベーカリーカフェ »