2017年11月
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文化・芸術

2017年11月14日 (火)

劇『ピーターパン』

雲が多いものの晴れている火曜日のニューヨーク。今日はこのまま晴れ所により曇りの予報。最高気温は9℃まで上がるので、昨日よりも更に寒さが和らぐようです。

イラン・イラクの国境地帯で起きた地震で、少なくとも420人が死亡。ライフラインを絶たれて、寒さに凍えながら野宿する被災者の写真が新聞の一面に載り、朝から非常に気が滅入ります。また寄付の方法を考えねばなりません。現在でもプエルトリコで被災した方達が、電気が復旧していなかったりと不自由を強いられている現状も報じられていましたし。これから年末にかけて、これ以上の災害が起こらないことを心から祈ります。

今朝は使用している通信会社がメインテナンスの工事をしていたため、午前8時まで全くネットが使えず。ラジオも聴けなければ、メールのチェックもできませんでした。頻繁にネットが使えなくなるのをどうにかして欲しいと思うと共に、自分が如何にネットに依存しているのかをまざまざと見せつけられて怖くなります。
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さて、今回は2017年11月11日~12月23日まで42丁目にあるDuke Theaterで上演されている劇『Bedlam's Peter Pan』を観劇した感想です。
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この劇はフェイスブックで上演をしりました。ニューヨークをベースに活動している劇団Bedlamは、去年ボランティア仲間に勧められて観た『SENSE & SENSIBILITY』がとても面白かったので、それから注目している劇団です。

丁度腰の調子が良いので映画や劇を観ることができるようになっている時期で、劇を観たい気持ちが高まっていることもあり。チケットが$39/席と高すぎないことも手伝って直ぐにチケットを購入しました。
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残念ながら夫は急な出張が入ってしまったので、1人で観劇。しかもぎりぎりで購入したので一番後ろの席でした。が、タイムズスクエアのど真ん中にある割には、とても静かでこじんまりしたデューク劇場では、全く問題なく作品を楽しめました。

『ピーターパン』は大まかなあらすじしか知りませんが、劇にし難い題材な気がして、どのように脚本を変えてあるのかを楽しみにしていました。たった6人のキャストで、小さな舞台でセットの転換も無くピーターパンを劇に仕立てるって難しいですよね?
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劇は約2時間で休憩は無し。キャストはウェンディ以外は全て1人何役もこなしていました。ピーターパン役の人はウェンディの飼い犬ナナと。マイケル役(の女性)はティンカーベルとカーリー(かスライトリー)と。お父さんのダーリング役の俳優さんはスミーと。お母さんのエリザベス役の女優さんはスライトリー(かカーリー)とフック船長と。そしてジョン役の俳優さんはトートルズと小物係とのダブル/トリプルキャストでした。

キャストが変わってもほぼ衣装の変更がないので、俳優さん達は喋り方や表情の違いで全然違う人物を演じ分けなくてはいけません。舞台俳優さん達の実力にはいつも感心してしまいます。
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セットは全然変わりなく、ライトや音、小物だけでロンドンの住宅街とネバーランドのピーターパン達の寝床、水の底の世界、そしてウェンディの子供達の20年後の世界を表現。そこら辺も流石の技術でした。

が、しかし。今回は物語が入り組んでいたのか、全てを理解することができませんでした。おとぎ話が下地になっているせいか、今回は英語も平易で台詞はほぼ完ぺきに理解していたと思うのに。所々、ん?なんだ?これは一体どうなってるんだ??という場面がありました。
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ベドラム版のピーターパンは大人向けにちょっとビター&スパイスを利かせてありました。下ネタっぽい描写も出てきます。その為、お子さんには向かない表現がちらほら。そこら辺の場面が、イマイチよく解らないまま見終ってしまいました。

同じシーンを色んな主人公の視点からやり直したり。ピーターパンとウェンディの家族ごっこがさながら冷め切った現代の夫婦みたいな関係になっていたり。子供達を失って、ダーリングとエリザベス夫妻が壊れていく様を描いたり。結構ダークな、大人向きの内容。お子さんには向かない気がします。
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実力のある俳優さんと生のパフォーマンスの力のお蔭で、全て理解できないながらも最後まで楽しんで観劇できました。私は割と理解できない、腑に落ちないという経験も好きだったりします。どちらかというと、最近の解り易さを追求する傾向のある映画群の方が苦手な性質。この劇は好きなタイプの作品でした。

やっぱり生の劇には、映像では感じられないエネルギーが在って病み付きになります。日本に帰国する前に、なるべく沢山の劇を観たいものです。

THE DUKE ON 42ND STREET
229 W 42nd Street, New York, NY 10036
PHONE 646.223.3010
劇場のHPはこちら

2017年10月17日 (火)

チェルシーのギャラリーでルース・アサワ展

雲1つない快晴の火曜日のニューヨーク。昨日は夕方から一気に気温が下がって寒かったですね。今日はこのまま快晴が続くようですが、最高気温は16℃と涼しい予報。温かい格好をして出掛けた方が良さそうです。

女性に対するハラスメントに関して声を上げようという動きが広がっていますね。フェイスブックでも「Me too」と書くことでハラスメントの被害にあった事がある意思表示をするポストを頻繁に見掛けます。確かにハラスメントの問題はハリウッドに限りませんものね。私は有難いことに意識が高い場所でボランティアしているので被害にあった事がありませんが。まだまだ自分がハラスメントをしているという意識が無い人も多そうなので、意識向上が進みますように。
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さて、今回はチェルシーのギャラリーで開催されている『ルース・アサワ』(Ruth Asawa)展の感想です。
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この展示会は雑誌ニューヨーカーで特集されていたため知りました。とても魅力的な写真が添えられていたので絶対見に行こうとメモを持ち歩いていたら、ボランティア仲間も同じことを考えていたらしく。ボランティア後意気投合し、一緒に足を運びました。

ルース・アサワ氏は、カルフォルニア生まれの日系アメリカ人。第2次世界大戦時、カルフォルニアの強制収容所に家族と共に送られたり、日系人であることを理由に大学の学位を取得できなかったりと苦労をされた方のようです。
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でも有名なブラックマウンテン大学に入り直し、そこで才能を開花。後年はアート教育の大切さを説き、全米で初となる公立のアート学校設立に尽力。各地で個展を開き、活躍された女性アーティストなのだそうです。

私は今回までその存在自体を存知上げませんでしたが。MoMAやグッゲンハイム美術館等にも作品が収蔵されているそうで、その作品群を無料で鑑賞できるというのはとても贅沢な経験でした。
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展覧会はギャラリーの2階部分を贅沢に使って行われていました。彼女はメキシコを訪れた際にワイヤーを使って手編みで籠を作る技術を学び。全て手を使って編むワイヤーオブジェで有名な方ですが。今回の展覧会では絵画や版画、加えて手書きの手紙や写真等も展示されています。

展示の仕方もとても素敵で、いびつで左右対称でない、武骨なワイヤーで編まれているのにとても繊細で有機的に感じる美しいオブジェが天井から吊るされて真っ白な空間に浮いている様は神秘的ですらありました。
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私達はとても感動し、アートが好きなボランティア仲間と再訪することを誓い。それとは別に、夫が大好きそうなので夫とも足を運ぶつもりでいます。何度訪れても良いと思わせる、素敵な空間です。

チェルシーのギャラリー群は、無料で超一流のアートを楽しめる宝箱のような地域。最近まで足を踏み入れなかったのがとても勿体なかったと悔やんでいます。まだの方は是非。思ったよりも全然気軽に気負いなく楽しめますよ。
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この展覧会は2017年10月21日まで開催されています。

2017年9月15日 (金)

アメリカ自然史博物館のツアー

雲1つない快晴の金曜日のニューヨーク。今日は1日晴れる予報で、最高気温は28℃。湿度がちょっと高いみたいなので、今日も汗ばむ陽気になりそうです。週末も天気が良さそうなので、行楽日和に出掛けたい気分です。

ロンドンの地下鉄ディストリクト(緑)ラインで、爆弾が爆発した事件が大きく報じられています。テロとみられるそうで、まだ詳細はわかっていない模様。現在のところは死者は出ておらず、複数人が怪我を負ったようです。この事件を受け、ニューヨーク市警もニューヨーク市民に警戒を呼び掛けています。夫が電車通勤ですし、丁度もう直ぐロンドンへ出張しようと準備をしているところなので、ダブルで心配です。何事も起こりませんように。
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さて、今回はボランティアの研修の一環として参加したアメリカ自然史博物館(American Museum of Natural History)のツアーの感想です。
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ずっと立っていると何故か気分が悪くなったり、フラフラしたり、肋骨辺りが痛くなってきたりするので、すっかり美術館や博物館から足が遠のいています。旅行に行っても、歩くばかりで美術館等はご無沙汰しがち。

しかしアメリカ自然史博物館のツアーを無料で受けられるとなれば別。ツアーであればせいぜい1時間位でしょうから体調を崩すことはないですし、無料なら1時間だけの為に入館しても勿体なくありません。加えて、ボランティアとしての知識も増える可能性があるので喜んで参加しました。
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私達は特別に1人のガイドさんがついてくださいましたが、そもそもアメリカ自然史博物館の入館料を払えば誰でも追加料金無く参加できるハイライトツアーだったのだと思います。全てのツアーは1階のBernard Hall of North American Mammalsに集合。開始時間は、10:15, 11:15, 12:15, 1:15, 2:15および3:15からとHPには書かれています。変更があるかもしれませんので、事前にHPにてご確認ください。

このツアーでは、広大なフロア面積と莫大なコレクションを誇るアメリカ自然史博物館の見方を教えてくれました。ツアーガイドはボランティアの方。凄い知識量で、面白可笑しく見所や見方を教えてくださいます。
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ガイドになる為にはクラスを取ったり、試験に受かったりせねばならないそうですが、「定年退職して自分の興味がある科学について学べて楽しくて仕方ないの!こんな膨大な知識をどうやって覚えるんですか?って質問されるけれど、誰もゴシップを勉強して覚えようなんて思わないでしょ?私にとってこの博物館について知ることは、ゴシップ記事を読むようなものなのよ!なーんにも努力なんてしてないの。」と笑ってらして、本当に素敵な女性でした。

私は大学生時代この博物館のファンで、マンハッタンを訪れたら必ずと言ってよい程足を運んでいました。でも、何となく見ていただけで、この博物館の真価を全然解ってなかった事にこのツアーにのって気付きました。お子さんもとても楽しめる内容だと思いますし、科学に興味を持つきっかけに成り得る内容だと感じました。
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実際そんなに科学に興味が無い私も、絶対に再訪しようと思いました。展示の順番や距離も太陽系の距離に因んで決めてあったり。本物の骨と模型の違いをシステマティックに示していたり。床にある模様だとばかり思っていた線が、説明&模型と本物の化石の関係を示していたり。全てに意味がある展示で感心してしまいました。

生き物の展示では、進化の過程に沿って展示室をぐるりと廻って化石や模型を学べたり。各展示室の入り口に、その部屋が説明しようとしている大きな質問が掲出され、展示を見ていく内に答えが分かるように配置されていたり。考え抜かれた、科学者が訪れても満足がゆく内容にしてあるとの事。
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実際にリサーチ博物館として活動しているため、全ての恐竜の骨は科学者が外して持って行けるように設計されており。よく見ると、1つ1つの骨が金具で取り外しできるように展示されています。博物館として40人以上の科学者を雇っており、深海の研究をしたり、恐竜や何かの化石が発見されたら発掘の指揮を執ったりと日々研究を重ねているという話も驚きました。全然知らなかった・・・。

説明を聞くと、只の博物館だと思っていた展示が、一大リサーチセンターの様に見えてきます。私に子供が居たら通いつめちゃうと思いました。実際一緒にツアーにのっていた方々は、定期的にこの博物館を訪れていることを知り感心。植物や環境問題に興味を持っていると、この博物館にも興味を持つんですね。
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ようやく夏休みも終わった事ですし、もう少し寒くなって外で過ごせる時間が減って来たら夫と共に再訪します。

2017年7月 1日 (土)

インベーダーの個展

曇っている土曜日のニューヨーク。今日は午後になると雷雨の可能性が高いようなので、活動をするなら午前中にした方が良さそうです。最高気温は28℃。昨日に引き続き湿度が高いので、暑さ対策もお忘れなく。

昨日はブロンクスの病院で男がライフルを乱射し、1人が死亡、6人が怪我をする事件が起こりました。ニューヨーク市が安否を確認できるシステムを稼働させましたので、知人・友人と連絡がつかない場合には311番に電話して確かめることができます。ブロンクスで働き出した知人は無事だったので一安心ですが、ライフルが持ち込めるなんて対策が望まれます。過去に病院で働いていた男が犯人だったとのことですが、逆恨みでしょうか。
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さて、今回はチェルシーのギャラリー『Taglialatella Galleries』で行われていた『“GAME ON! The Art of Invader』展です。
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行われていたと書いた通り、ごめんなさい、この展示会2017年6月11日に終わってしまいました。5月~6月はイベント盛り沢山な上に、ボランティアも目白押し、その上体調も崩しがちだったので、ついつい書きそびれている間に終わってしまいました。
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しかしながら、ストリートアートが好きな私には楽しい展示だったので記録に残しておきたいと思い書いています。あまり参考にならない情報でごめんなさい。
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展示には、実際に各国でゲリラ方式で作られたアートが切り取られ、額に入れられて飾られていて、色んな国のストリートに実際に出現していたのかと思うと見ていて楽しい気分に。いつもは通りを歩きながらふと見つけて楽しむアートが、一堂に会しているというのも貴重な体験でした。
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勿論、初めて見るルービックキューブの作品等もあり、展示会としての楽しみも。身近なアーティストの作品だと肩ひじ張らずに見ることができて良かったです。
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チェルシーのギャラリー群は、無料で色んなアートが楽しめてとてもお勧め。思ったよりも敷居は高くないですし、質の高いアートを気軽に楽しむ事ができます。

これからも用事の合間にちょくちょく覗いて楽しみたいと思います。

2017年5月22日 (月)

ロックフェラープラザのジェフ・クーンズ2017

今は止んでいますが、路面が濡れている月曜日のニューヨーク。今日は曇り時々雨の予報で、所によっては雷雨になるそうなのでお気をつけください。最高気温は17℃。太陽が出ない分昨日より涼しく感じそうです。
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さて、今回は2017年5月12日~6月2日までの間、ロックフェラープラザに展示されているパブリックアート『SEATED BALLERINA』です。
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この巨大バルーンは、アメリカ人アーティストのジェフ・クーンズ(Jeff Koons)氏の作品。去年に引き続き春のロックフェラープラザに登場です。
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今回の作品はミラーの様に周りの環境を映し出す素材でできており、見る人や設置された場所と呼応するインターラクティブな作品との事。私が見た日はよく晴れていたので、日光が反射して眩しく、見る角度によって印象が違いました。
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クーンズさんの作品は、難しいことを考えずとも楽しめる作品で、去年の花でできた生き物のオブジェも好きでしたし、このバルーンも気に入りました。
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巨大な作品なので、遠くからでもよく見えます。

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何時も人気の観光地。

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花の盛りは過ぎていましたが、それでもまだ綺麗でした。

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もう直ぐチャネルガーデンが新しいテーマに替えられるかな?と楽しみにしています。

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2017年5月 8日 (月)

ホイットニー美術館のビエンナーレ2017

晴れている月曜日のニューヨーク。今日は段々と雲が出てくるものの、1日晴れる予報。現在は8℃ですが、最高気温は14℃まで上がる予報です。とは言え、相変わらず涼しい日が続きそうですので、温かい格好でお出かけ下さい。

昨日から体調を崩してダウンしていますので、今日はさくっと本題に。
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さて、今回は2017年3月17日~6月11日まで開催されているホイットニー美術館のビエンナーレ(The 2017 Whitney Biennial)を見てきた感想です。
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何時も書いているのでご存知だとは思いますが、私は近代アートは好きなもののあまり現代アートが得意ではありません。なのでメトロポリタン美術館やMoMAには足は運んでも、ニューミュージアムには殆ど足を向けることがありません。
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でも、一番好きなアーティストがジョージア・オキーフであり、夫がホッパーが好きなので、ジョージア・オキーフの作品を一番沢山所蔵しているホイットニー美術館にはたまに訪れます。今回は近所でボランティアをしている人達を美術館が招待してくださるという感謝イベントが開催されたので、夫と2人でお呼ばれして無料で展示を楽しんできました。
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以前はアッパーイーストに在ったので、遠くてわざわざ感があったのですが。現在はミートパッキング地区、ハイラインの南端にあるガンズボート出口の直ぐ西側に移動したので、個人的に訪れやすくもなりました。
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新しいホイットニー美術館は、ハドソン川に面している立地を生かした、窓が多く風景を作品の一部の様に取り入れた建物も素敵で。8階~5階にあるテラスに出ると、彫像や映像作品と共にローワーマンハッタンの景色を楽しむ事が出来るのも魅力。
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屋上を緑地化してパーティーしている人々や、ハイラインを上から眺めたり、ニューヨークのシンボルみたいなウォータータンク(水道塔)を見たりしながら、遠く自由の女神やワールドトレードセンター、エンパイアステイトビルなんかも一緒に見れて、別の角度からニューヨークらしさを満喫できます。
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毎年ホイットニーのビエンナーレは賛否両論、意見が真っ二つに分かれる印象があります。好きな人は大好きで、嫌いに人は大嫌い。あまり中間意見を聞かないという感じ。今年も例外ではなく、面白い作品を褒める評論家がいると思えば、作品テーマに批判が集中したり。相変わらず話題に事欠かない展示です。
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今年で78回目連続して開催されているアートの祭典で歴史もあるだけに、注目も集まるのでしょう。今年はあまり説明を読まず、感じるままにアートを見て回ると決めてビエンナーレを見たら、結構楽しめました。
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特に3Dで水辺の植生を細胞レベルから語っている映像作品や、鏡で延々と部屋の様子が続いて映し出される作品が、現実とバーチャルの境が曖昧になっている現代の世相や、情報が次々と拡散されて元の形が見えなくなっている状況に警鐘を鳴らしているように感じられて記憶に残っています。実物の部屋は天地が逆になっているのに、眺めている鏡に映った世界は見知った世界で、それが際限なく再生されているのが怖く感じられました。なのに目の前には、窓から見える美しいハドソン川の夕景。
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かと思えば、有機的な植木が並ぶ部屋が紫色にライトアップされて、不思議な安らぎの空間を演出しているアート作品があったり。一枚の厚板から解けないパズルのように組み合わさった木の輪っかを削り出した、ひたすら原始的な作品もあったりして。
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気付けばディナーの予約時間になってしまい、半分を見損なう位2人で楽しんでしまいました。現代美術も小難しいという先入観を捨ててみれば結構楽しいのかも、と思えたビエンナーレでした。

Whitney Museum of American Art
99 Gansevoort Street, New York, NY 10014
開館時間や入館料についてはHPにてご確認ください。
毎週金曜日の午後7時~9時半までは随意の金額で入館できます。

2017年3月 3日 (金)

チェルシーのギャラリーでのヴィヤ・セルミンス展

よく晴れて寒い金曜日のニューヨーク。今朝のラジオでは予報が変わり、午後9時頃小雪が舞う可能性があると報じていました。積りはしないとの事。ネットの天気予報では午後から雲が出始めて午後5時頃小雪が舞うかもという予報。最高気温は4℃で、夜には氷点下になる予報。明日は久し振りに1日中氷点下の日になるようですので、今週末は暖かくして出掛けます。

今週末は地下鉄Mラインが運転を休止します。これから夏に掛けて大幅な改装工事が予定されているので、運転を休止する路線が沢山あるそうです。お出かけの際には、いつにも増して地下鉄の運行状況を確認する必要がありそうです。まぁ、ニューヨークの地下鉄は年がら年中、止まったり、一部運転を見合わせたり、一部運行を変更したりしていますが。

この3年間でニューヨークにおけるホームレス人口が急増したことを受け、デブラシオ・ニューヨーク市長が制度設計の見直しを発表したそうです。その中には、新たなホームレスシェルターを90か所で開設することも含まれるとの事。2011年にニューヨーク州からの補助金が停止して以来、シェルターに入れないホームレスが増えているのが原因らしいのですが。ここ3年間に急増した理由は示されていませんでした。何故なのでしょうか?この寒さの中、あちこちで毛布に包まって眠っているホームレスの人を見掛けます。トランプ政権になってから、国からの各州への福祉・健康に関する助成金が削減される大統領令が審議されているようですが。そんな事をやっている場合ではないのでは?と感じます。
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さて、今回はチェルシーにあるギャラリー『Matthew Marks Gallery』(3つあるギャラリーの内、522 West 22nd Street, New Yorkにあるギャラリー)で、2017年4月15日まで開催されている『Vija Celmins』展のご紹介です。
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この展示は、例の如くボランティア仲間に誘われてボランティア活動の後に訪れ。とても気に入りましたし、夫が大好きそうだと思ったので2人で週末に改めて訪れました。

ヴィヤ・セルミンス氏は、1938年にラトビアのリガで生まれ、1940年代後半に家族と一緒にアメリカ合衆国に移民してきたアーティストとの事。彼女は1960年代から活躍するアーティストで、波、砂漠の砂、夜空等を緻密に描くことで有名なのだそうです。
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今回の展覧会でも、星空(石の表面?)、波を描いた絵画と、精密に作られた黒板、石ころ等のオブジェが展示されています。その技術に感嘆しました。

星空か石の表面、どちらにも見える絵画は、白地に黒や灰色の点々が散らばっていたり、黒地に白や灰色の点々が散らばっているだけなのですが。どのような技法で描かれているのかが全く分からず、その不思議な静けさと美しさに見入ってしまいますし。波の絵は静謐さに満ちていて、心が凪ぐようでした。
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拾った石や古い黒板を本物そっくり作ってあるオブジェも、拾った本物と彼女が制作したオブジェが並んで展示されているのですが、どちらがどちらか判らない精密さ。その技術の高さに舌を巻きます。

ボランティア仲間も、夫と私も堪能したこの展示。チェルシーにはギャラリーがひしめいていて、全て無料で楽しめる訳ですから、アート好きの方は足を運ばれてはいかがでしょうか。

Vija Celmins
Matthew Marks Gallery
522 West 22nd Street, New York
詳しい展覧会のお知らせはギャラリーのHPにてご確認ください。

2017年2月28日 (火)

カーネギーホールでマスタークラスを見学

少し霞んでいるものの晴れている月曜日のニューヨーク。今日は雲が出るものの1日晴れの予報で、最高気温は12℃と過ごし易い気候になりそうです。明日は雨、明後日は雷雨、金曜日は雪の予報ですので、せいぜい楽しめる時に太陽を楽しんでおきましょう。

ニューヨークの周辺には3つの空港がありますが、大体の人はお気に入りの空港があってそこからの発着しかしないようにしているようです。かくいう我々もラガーディア空港は好きではないので、殆ど利用したことがありません。そうしたら全米の空港で時間通り着陸する確率が一番低い空港の1つに選ばれたというニュースが出ていました。やっぱり敬遠していたのには理由があったんですね。

昨日のオスカー授賞式で、ベストピクチャーの受賞映画の名前が間違って読まれたことが大ニュースになっています。なんでも専門会社が入念に準備をしているにも拘らず、封筒の取り違えが起こったのだとか。何故そのような問題が起きたのか、原因を究明中との事。私の周りではラ・ラ・ランドは「別に普通に楽しい映画って感じだけどねー」とフラットな感想しか聞きませんが、かといって糠喜びは可哀想です。
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さて、今回はカーネギーホールで先週5回に亘って開催されていたマスタークラス『Jonathan Biss Workshop』の1回を見学した感想です。
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カーネギーホールには教育部門があり、ニューヨークの学校の生徒を招いて音楽に触れあってもらうプログラムを運営したり、出産したもののお子さんと上手く距離を縮められない新米ママに自作の子守歌を作ってもらい赤ちゃんとの心の交流を促したり、公学校の音楽教師を招いてクラスのヒントを見つけてもらったりと、種々のプログラムが行われています。

そんな多くの活動の一環として、既にプロとして活躍している音楽家を招き、若手音楽家/生徒さんを公開レッスンするというワークショップ/マスタークラスが行われています。今年は声楽家やピアニストを招いて数日間に亘ってプログラムが組まれているらしく。
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内、ピアニストJonathan Biss氏が5日間に亘って世界中から集まったピアニストにレッスンをつけるプログラムの第2日目。3人の生徒さんにレッスンを付ける様を公開するマスタークラスを見学する機会を得ました。

クラスは全部で2時間半。3人の生徒が課題曲(ベートーベン、シューベルトもしくはブラームス)を弾き、その後30分~45分決められた時間内でレッスンを受けていました。
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私は音楽の知識が全くありませんし、聞くのは好きでも曲名や作曲者の名前を覚えません。そんなに頻繁にコンサートに足を運びもしません。最近は腰が痛くて劇場の深い椅子に座っていられないので、映画やコンサートから足が遠のいていますし。

でもそんな全然知識が無い私でも(だからこそ?)レッスンはとても興味深かったです。Jonathan Biss氏が、「ここは同じ音が4回繰り返されてますね?繰り返しには絶対に意味があります。ただ何となく同じ音を弾いてはいけない」とか、「音符にしたら同じでも込められた意味合いは全く違う。既に作曲者はこの世にいないから、我々は精度の良い推測をしていく必要がある。」とか、「この曲は僕にとっては足掻いても足掻いても逃れられない悲劇性を表した曲なんだよ。でも貴方の演奏は美し過ぎてその足掻いている感じが伝わらない」とか、「間違いがない正確な演奏よりも、多少間違えても素晴らしい演奏を目指そう」とか、「主題が何回か繰り返される際には、クライマックスにあたる音に注目して。何回か繰り返しがある際には、絶対に少しの違いがある。その違いに込められている意味が絶対にある」とか、「ここは右手が主旋律を奏でていて目立つけれど、大事なのは左手の低音です。何故ならこの主題は苦しみだから」とか、「ピアニッシモは、音を最後まではっきり弾かなくて良いという事ではない。小さく音を鳴らす事と、柔らかい音を出す事は全く違う。この曲は深い悲しみを表現しているのだから、いくら小さな音でも音の輪郭が最後までクッキリしているべきで、しかも音には芯があるべき」とか、理論的な指導が続く、続く。
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生徒さんの個性も聴いていておもしろかったです。生徒さんによっては指導を受けても受けても、全く演奏が変わっていないように聞こえる方もいて。先生の方から「何度もしつこく同じことを言って申し訳ないけれど、自分のスタイルを持つことと、自分の引き出しが1つしかないことは全く違う。自分のスタイルを持つことは素晴らしいけれど、引き出しは沢山持っていなければプロではないし、演奏の限界は知っておくべき。このレッスンが終わったら私が言ったこと全てを無視してくれて構わないから、一回失敗してみてくれない?」とまで言わしめたり。

他の生徒さんには、「次の展開を期待させては駄目。良い演奏とは、演奏家自身が『え?今何が起こったの?』と吃驚するような状態でなければ」と言っていたり。へぇ~と思う言葉が沢山でした。
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以前、村上春樹氏著『小澤征爾さんと、 音楽について話をする』という本を読んだ際に、小澤征爾氏が演奏する楽曲を決めた後、2-3日書斎にこもってひたすら楽譜の勉強をするという記述があったと記憶しているのですが。それを読んだ時は、正直言って何のことを言っているのかピンと来ませんでした。でも、今回このクラスを傍聴することによって、全ての変調や音階の変化や音の繰り返し等から意味を読み取っていく作業の事か、と凄く納得したのでした。

あんまり面白かったので、ピアノを習っているボランティア仲間にもお勧めしておきました。チケットを購入しても$15でしたので、そんなに高価ではありません。傍聴していたのは、音楽の先生やピアニストを目指す若者が多かったように思います。

2017年2月 5日 (日)

コメディーショー『自殺のキャリア』

快晴の土曜日のニューヨーク。今日は段々と雲が出るものの1日晴れる予報。最高気温は午後にならないと氷点下を脱しないようで、最高気温は2℃。昨日に引き続き寒そうですので温かくしてお出掛けください。

昨日は、転職するボランティア先のマネジャーさんのサプライズ・お別れパーティーでした。残念ながら私は別のボランティアが忙しく、パーティーが終わる直前にちょっと顔を出して挨拶することしかできませんでしたが、最後にお別れができて良かったです。想像したよりも本格的なパーティーで、ケータリング(ドリンク)が入っていたり、記念撮影をする用のデコレーションされた椅子が置かれていたり。一般市民からの募金で賄われるNPOなので資金の使い道には慎重にならなければいけない訳ですが、働いている従業員を大事にできない組織は駄目だよなぁと他のNPOを見ていてつくづく感じるので、昨日のパーティーは好ましく感じました。ずっと組織を引っ張ってきた方だったので寂しくなりますが、次のステージでも活躍する気満々だったので楽しみです。お知らせをくださるそうなので、是非次の職場にも足を運んで彼の手腕を堪能させて貰うこととします。別れは寂しいですが、自分の世界を広げてくれるきっかけにもなりますね。
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さて、今回も既に終わってしまったコメディーショー『Career Suicide』の感想です。
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このコメディーショーは2017年1月8日までNolitaにある小さな劇場で上演されていました。去年からなるべく沢山観劇しようと以前よりは頻繁に劇場に足を運んでおり、チケット会社から送信されるお知らせメールで興味を持ったショーでした。人から推薦されてもおらず、New Yorkerでレビューを読んだわけでもなく、話題になっていたわけでもないのに観に行くのは珍しい事です。

では、何故興味を持ったかといえば、コメディーなのに題材が自殺だという事につきます。自分の中に自殺を笑いの題材にするという発想自体がなかったので、純粋にどんな風に創り上げているんだろう?と興味を引かれました。
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そして、鬱を患う人とどうやって接するのか分からないというモヤモヤと漠然とした悩みがあったのでヒントが欲しかったという事もありました。何故かクラスで精神科医の女性と一緒になる機会が数回あり。彼女達の話を聞いていると、鬱がとても難儀な治りにくい病気であることが感じられたり。元同僚から鬱で苦しむ同僚の話を聞いたり。友人が軽い鬱なのでは?とちょっと悩んでいたり。色々なことが重なり、去年からかなり鬱病に興味があるのです。

このコメディーは、Chris Gethard氏というコメディアンが1人で滔々と喋るというもの。彼は自殺願望が強く出るタイプの鬱症状に学生時代から悩まされ、アルコール依存症も患っていたのですが、その事をさらけ出して面白おかしく語るというショーでした。とは言え、ゲラゲラ笑うという感じではなく、時々クスッとする程度。真面目な内容が大半を占めていたように思います。
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通常劇場に足を運ぶとご年配の方の方が多い印象を受けるのですが、このショーは若い観客が多かった事が記憶に残っています。それだけご自身や周りに鬱を患っている人が居て、悩んでいる人が多いのかもしれません。またこの劇はオフブロードウェーの他のショーと比べてもチケットが安かったのも一因かもしれません。

アルコール依存症というのは飲酒量の問題だけではなく、飲酒の回数や全体量が少なくとも、飲んだ時に記憶を失ったり、奇行を繰り返すことも含むのだという事実を知ったり。自殺願望を伴うような鬱でも、処方された薬を正しく服用すると問題なく日常生活が送れるのだというのが驚きだったり(私は勝手に症状は改善するものの、スパッとは治らないと思い込んでいました)。
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色々参考になる話が多かったのですが、一番印象に残ったのは鬱の人と話したり、関わったりするのを躊躇すべきではないというアドバイス。「鬱の人はちょっとしたことで傷ついてしまいそうで話すのが怖い」とか「自分から話しかけたり、外に出てきたりするのを見守る方が良いのでは」という人が多いけれど、それは間違いだとはっきりと仰っていたのが一番の学びだった気がします。

それと同時に、正しい治療の大切さも学びました。よく効く薬でも誤った使い方をすると症状が悪化すること。一度飲み始めた薬を、保険が切れた・お金が払えない等様々な理由から中断すると非常に危険であること。
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そして、社会として鬱や自殺をタブー視せず、もっと広く正しい知識を広め、正しく議論すべきなのだという事も強く感じました。精神的な病気は恥ずかしいという意識そのものが、苦しむ人々を回復の道から遠ざけているのだということが理解できました。そして周りの人々も戸惑い、悩んでいる人が多くいると思うので、対処方法ももっと広く知らしめるべきだと思います。ショーの中でも、クリス氏のお母上が息子の鬱の事実を受け入れられず、泣いて泣いて苦しむ様子を見て彼も余計に悩んだという話しもありました。正しい知識こそが、鬱に苦しむ人とその周りの人々を助ける筈です。

自殺願望を抱いて苦しむ日々を過ごした自殺のキャリア、そして自殺を題材として取り上げることはコメディアンとしてのキャリアにとっては自殺行為だという意味がタイトルに込められているだろうショー。社会の意識を変える上で、意義あるチャレンジだと思います。
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これをきっかけに、広く鬱病について語られる世の中になりますように。

2017年2月 1日 (水)

オフブロードウェイ・ミュージカル『A Taste of Things to Come』

曇りの水曜日のニューヨーク。雪は止み、予報通りアスファルトには積もっていないようです。太陽が顔を覗かせるようですし、最高気温は8℃まで上がる予報ですので、凍結して危ないというようなこともないでしょうか。

気持が落ち込み過ぎて忘れていましたが、オーガニック食材が豊富に揃うスーパーマーケット『Whole Foods』がブライアントパーク前(紀伊国屋書店の並び)に新しい支店を土曜日にオープンしました。観光の途中にも立ち寄り易い立地なので、益々便利になりますね。

トランプ大統領が就任してから、アメリカでは珍しく外国に学ぼうという風潮がある気がします。ヨーロッパでは移民・難民問題でどんな問題を抱え、どのように対応しているのか、とか。そんな中、カナダは何故拳銃による犯罪が少なく安全で、国民保健を確立し、移民・難民にもオープンでいられるのか?という比較が頻繁にされていたように感じますが。そのカナダのケベックで、週末礼拝中のモスクで銃が乱射され、6人が死亡、8人が負傷する事件が起こりましたね。アメリカでは大ニュースがあり過ぎて、直ぐにあまりメディアに取り上げられなくなりましたが。自分と違う人を排斥する風潮が広がったことが影響したのでは?と余計に暗い気持ちになりました。
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さて、今回は既に公演が終わっているオフブロードウェイ・ミュージカル『A Taste of Things to Come』の感想です。
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このミュージカルは2016年11月17日~12月11日まで上演されていたYork Theater Companyによるプロダクション。会場はミッドタウンのレキシントン街にある教会の地下にある劇場でした。York Theater Companyは、47年の歴史を誇る劇団とのこと。

何故このミュージカルに興味を持ったのかと言うと、去年ボランティア仲間に勧められて観劇したBedlamの『SENSE & SENSIBILITY』がとても気に入り。そのBedlamで働いていた女性が、ディレクターデビューをするミュージカルであるとお知らせのE-mailが届いたから。去年のシェイクスピア・イン・ザ・パークでもそうでしたが、女性によって制作された劇や女性のみによって構成された舞台が増えているように感じて応援したい気持ちもあり。若い女性が初めて創り上げるミュージカルで、キャストは全員女性なんて、是非観に行こうとなったわけです。
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小さな劇場でしたが、狭いロビーの壁には一面ミュージカルの舞台となっている1950年代~1960年代に掛けて考案された、今となってはぎょっとするようなレシピの数々が貼り出され、観劇気分を盛り上げてくれました。小さな劇団なりに愛情を持って運営されていたようで、手作り感満載のグッツも少しだけ販売されていたり。

ミュージカル自体は比較的短く、4人の女性キャストが密室でずっと歌い踊っているだけという密室劇。舞台の展開もありませんし、休憩を挟んで10年の時が過ぎるのですが、第1部と第2部は其々50年代と60年代の1日を演じているという空間と時間の限定ぶり。その中で4人の女優さん達の会話と歌(たまに主人公の生ナレーション)を通じて物語を浮き彫りにしていくスタイルでした。
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見終った後は幸せな気分になりましたし、とても楽しめました。が、周りの人たちに熱心に薦めたくなるという感じでもないような。広がりがあって、考えさせられるという感じのミュージカルではなく、楽しめて、心が軽くなるエンターテインメントでした。とは言え、このご時世。毎日なんだか憂鬱なニュースばかりなので、たまにはパーッと観劇でもして楽しみたいという事も多いですから、このミュージカルみたいな軽い・明るい・楽しいという感じの作品も必要ですよね。

そうはいっても全然実が無いという訳ではなく。4人の女優さんは、其々子だくさんの専業主婦、結婚はしていても子供を作らない主義の主婦、そうあるべきだと白人の男性と結婚したものの本当に愛しているのは(違法である)有色人種の男性だと気付いてしまいハーフの婚外子を身ごもっている主婦、および女優として成功することを夢見て独身を貫いている女性を演じており。1950年代の女性が如何に抑圧され、自由が無く、其々の立場で孤独に苛まれていたかが分かりますし。遠い昔のように感じますが、結構今でも同じように女性は苦しんでいることが多いよなーと思いました。
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そして休憩後の第2部である1960年代は、女性の考え方や立場が粘り強い公民権運動によって変わりつつあることが同じ4人を通じて描かれています。皆さん第1部ではワンピースを着て言葉使いにも気を付けていたのに、第2部ではパンタロンを穿いたり、自由に話したり、職を持っていたり、自分の会社を立ち上げていたり。たった10年で社会がガラリと変わった事が感じられました。知識として知っていても、動いている女性を見ると違いが実感できたというか。

観劇後、夫と夜道を歩きつつ感想を言い合っていたのですが。私が「たった10年であんなにがらりと世相って変わるんだねー。変化って起こる迄は長いけど、起こってからはあっという間に広がるんだね。そのティッピングポイントに到達する迄は時間が掛るけど、超えてしまえばがーっと一気に変わる感じがよく感じられて面白かった。」と言ったら、夫は「どちらかというと50年代から60年代の変化の急激さよりも、60年代から今までの50年近く、女性の権利を巡る状況が殆ど変化してない事の方が驚いた」と。うーん、確かにと唸ってしまいました。
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初演はフィラデルフィアの小さな劇場だったというこのミュージカル。チャーミングな作品だったので、いつかまた何処かで再演されるでしょうか。

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